2010-01-01から1年間の記事一覧

歯の話

HP更新http://isidora.sakura.ne.jp/isi/ran67.html 歯をモチーフとする二作・津原泰水「黄昏抜歯」と川上未映子の「わたくし率イン歯ー、または世界」について、書いた。作品の本質とは関わりがないが、この二作では、主人公の女性たちは、歯が丈夫に生まれ…

情報の誤り

これは、あまりにもしばしば自分が犯す過ちなので(あんなのもこんなのも……ごめんなさいごめんなさい)、他人を非難できないことは重々承知しているが、それでもやっぱり言いたくなる。 相変わらず、ろくでもないことしかしておらず、今は『映画芸術』のレビ…

43年ぶりの再会

これを執筆して、10年近くが過ぎた。その間に、この映画を、添野知生さんが発見・入手なさった。なんとフィルムは、破棄されることなく、存在し続けていたのである。そして、この映画を観ている人の数は多く(100万人との解説があった。視聴率からの計算だろ…

排棄という運命

国書総目録という本がある。近世以前の日本で出版された刊本、あるいは写本などのタイトルが挙げてあり、その原典をどこで閲覧できるかが記されている。国会図書館を始めとする収蔵館へ行けば、それが見られるのだが、片々たる黄表紙などがたくさん残ってい…

遂に観た! シエラ・デ・コブレの幽霊

まずは2001年に書いたHPの記事(今はページを落としている)をここに転載する。

批評眼とか見識とか

批評眼は一朝一夕には出来あがらない。たくさんたくさん鑑賞しないと、良し悪しも価値もわからない。これは詩歌など、短詩型文学や、書のように素人にはサッパリなものを考えるとわかりやすい。経験の少ない素人が自分なりの好悪の判断をする時には、とんち…

文体と好き嫌い

好悪の感覚は微妙だ。にしても、文芸の場合は、それは文体と不可分だろう。先日、売れっ子純文学作家・川上弘美の書評集を読んでいた。取り上げられている書物は、多くは私も評価するもので、選書眼は確かだと思われた。しかしその書評の内容たるや、あなた…

好き好き大好きと言っておく

津原泰水の『瑠璃玉の耳輪』が刊行された。ウェブとは面目を一新したらしい。未読。琉璃玉の耳輪作者: 津原泰水,尾崎翠出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2010/09/10メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 35回この商品を含むブログ (18件) を見る 本人か…

浦和

12日の午後に浦和に戻った。それからこちらでの仕事を少しずつ片付けているが、まだ終わっていない。いろいろなことに時間を取られている。今週後半もまた時間がないので、とにかく今日明日中にやれることをやっておきたい。 ということで書きたいこともいろ…

須永朝彦・天使・蝉王子

須永朝彦さ0んがbk1の『天使』購入特典として12枚の小品を執筆されたよし。10日までの購入で、特典がもらえる。詳しくは以下の日記にも。http://www.d2.dion.ne.jp/~octa/sun/sunaga26.htmlまた、bk1はこちらhttp://www.bk1.jp/product/03287672

長坂帰還予定

明日から小旅行に出かける予定。そのまま長坂に帰る。 長坂に5日夜から12日早朝まで。12日の午後にはマンションの点検があるので、浦和に戻る。 というわけで、この間にお急ぎの方は長坂に電話して下さい。 また、本を持って帰れるので、ご依頼のある方もこ…

メモ

火曜日の文芸時評で、沼野充義が朝吹真理子の出現を文学的事件といささか大仰に褒め立てている。官能的文体……という語から、あるいはと思いググってみると、やはり朝吹亮二の娘のようだ。作品そのものは幻想的になっているようなので、要チェック。新潮に書…

情報いろいろ

□三浦哲郎逝去 小説家。幻想文学方面では、『ユタとふしぎな仲間たち』の作者。短篇にも幻視的な佳品がいくつかある。□河野裕子逝去 歌人。□須永朝彦・明石町便り更新 http://www.d2.dion.ne.jp/~octa/sun/sunaga25.html 三年半ぶり。体調不良で筆が進まない…

アニメ作家の死去

この数日の内に、二人の知られたアニメーション作家が亡くなった。 一人は今敏で、47歳という若さで癌に冒され、一人は川本喜八郎で、85歳で天寿を全うした。 あまりにも早い死と、充分な年齢での死と、どちらがニュース価値が高いのかと言えば、もちろん早…

山ガール

今日の東京新聞に紹介が載っている。おぞましい言葉だ。山のファッションを楽しみつつ、低山ハイクなどをもっぱらグループでする20〜40代の裕福な女性のことを指す、という。対語となる山ボーイというのはあまりいそうもないので。女性に特化した現象という…

大藤信郎回顧

特別展示が9月6日までになり、20日から9/5まで、週末のみ小ホールで全作品上映を行っている。観たことのないものだけと思い、釈迦の生涯をはじめとする3プロを観た。歴史的評価はともかく、作品としておもしろいのは「幽霊船」ぐらいだと思う。あとは千代紙…

インタビュー

前項ではインタビューのことに触れているが、インタビューそのものを問題にしているのではない。わかったような気になることを問題にしているのだ。文意は、合理的な脈絡で読み取ってもらいたい……まあ多くは期待しないけど。 インタビューをすることはとても…

どろろ

アニメの話だ。DVDを購入し、再見しているところなのだが、とにかく、暗い。今観ると、とんでもなく暗い話だ。おまけにものすごく残虐で、人生と世界に不信感を覚えそうである。子ども向け……とはとても言えない。こうしたものが、今のゴールデンタイムに…

サンセットモード

またしてもカメラを持ち帰るのを忘れたので、連れ合いのカメラを使っているのだが、サンセットモードなるものがあり、それで撮ってみた。オレンジが通常で、ピンクがサンセット。サンセットの方が実際の色に近いのだ。変だけど。はるかに甲斐駒が見える。

カワラトンボ??

黒い羽のトンボがひらひらと飛んでいる。なんだろう、このチョウチョみたいなトンボは。青い細い胴も、ものすごくきれいだ。ネットで見ると、カワラトンボなどの名前が上がっているが、いろいろなことが書いてあってよくわからない。清流に住むとかあるけど…

木いちご

庭にブラックベリーを植えたが、僅かに結んだ実が熟さない。日当たりが悪いのだろう。仕方なく、野生のものをかき集め、ジャムを作った。たったこれだけ。自家用にでも少ない。フロマージュの菓子に少しは使うか。

吾亦紅

ああ、もう咲いている。秋が近い。そしてとんでもないピンぼけ。

アマガエル

このあたりでは、もちろん蛙の数もすごい。蛇もいろいろなのがいる。トカゲも多いな。うちの木の隙間にするするっと入っていく。両生類や爬虫類もやっぱり生き残るな。

不審な音

夜、長坂の家の南東の隅から、がりがりという音がする。スピーカーの後ろだと連れあいが言うが、木の中から木を囓っているような音だ。ネズミじゃないよね?と連れ合いは言う。これは昆虫だなと思い、明るくなってから、外に回ってみる。一階の壁には異常が…

邂逅

四日、井上輝夫先生のお宅にお邪魔した。。 七月十六日のブログをお読みになり、わざわざホームページを探して連絡を下さったのである。旧交を温めましょうと言って下さったので、先生の気が変わらないうちにと速攻で押しかけた次第。まあ、〈いらちのラン〉…

オリエンタリズムの逸品

黄衣の王 (創元推理文庫)作者: ロバート・W・チェイムバーズ,大瀧啓裕出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2010/07/22メディア: 文庫 クリック: 27回この商品を含むブログ (18件) を見る ロバート・チェイムバーズの『黄衣の王』を読んだ。同書は呪われた戯…

ただいま浦和

戻りました。メール等下さった方、もうしばらくお待ち下さいませ。 今夜中には諸々何とかします。

HPにも追加

http://isidora.sakura.ne.jp/mizu/water6-1.html章ごとにわけて4ページ構成

アムネジア論

稲生平太郎『アムネジア』についての評論を書きました。五年越しの宿題をようやく果たしました。多くの方に読んでいただきたいです。http://isidora.sakura.ne.jp/data/amnesia.pdfpdfです。そのまま開きます。HPでも普通に読めるようにしたいのですが、今か…

借りぐらしのアリエッティ

脚本が悪い。小人と少年の交流を主眼にしたいのだろうが、まったくそれが描かれていない。そのため、「君は僕の心臓の一部」とかいうラストのセリフも、まことに宮崎らしいものだが、まったく意味をなしていない。ばかばかしい。 絵は、とてもきれいだ。特に…