2011-11-01から1ヶ月間の記事一覧

文学の未来

東京新聞の「大波小波」から円城塔「これはペンです」間宮緑「塔の中の女」を取り上げて、褒めている。巧緻さや新しさ。読ませる力。しかし「人物の肉体的存在感はゼロ」で、三浦哲郎などを引き合いに出し、「東北の風土、何より血に深く繋がる小説の〈肉体…

田舎暮らし

東京新聞「大波小波」から稲葉真弓の『半島へ』が取り上げられていた。これでこの欄で取り上げられるのは二度目か。私小説的な〈田舎暮らし物〉のようだが、何か魅力があるのだろうか。例によって当該作は読んでいない。気になったのは批評者の言葉だ。温か…

ヤマト王権とつながりが……

今日の東京新聞の地方版には東松山の古墳で三角縁神獣鏡が出土したことが報じられ、標記の見出しになった。 鏡→魏王朝から卑弥呼の後継者に贈られたものの一枚→それを下賜された古墳の主はヤマト王権とのつながりがあった という解説を早大の研究員がしてい…

現実に立脚すること

[rakuten:takahara:10199313:detail] 森岡邦泰というフランス思想研究家の著作を読んだ。たいへんに面白かった。 フランス啓蒙思想の数人を取り上げて、ニュートンの——というよりは数学的合理性によって世界を理解するという方法論の影響をいかに受けている…