先日『緘黙』という新潮文庫の書き下ろし小説を読んだ。一応ミステリなのかな。犯人（？）が最後にネタを割るというタイプのもの。ミステリとしてはともかく、精神科医が、その専門知識を活かして書いた小説として、また、精神科医たちのキャラクター描写な…

領土作者: 諏訪哲史出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2011/11メディア: 単行本 クリック: 14回この商品を含むブログ (3件) を見る幻想短篇集。興味深く読んだ。 メタフィクションとしての趣向も持つ。初めてこの作家の作品を読んだが、どうやら元来メタフィク…

魔法の代償 上 (最後の魔法使者３) (創元推理文庫)作者: マーセデス・ラッキー,細美遙子出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2012/02/18メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 5回この商品を含むブログ (8件) を見る魔法の代償 下 (最後の魔法使者３) (創元推理…

『日本幻想作家事典』追加の索引をアップした｡2年もかかってしまってごめんなさい。 http://www.d2.dion.ne.jp/~octa/pages/jitena.html 次は年表を作る。ほんとうに、口先女になっていたので、それを解消したい。

ほんとうのフローラ 上 (一万一千の部屋を持つ屋敷と魔法の執事)作者: イザボー・Ｓ・ウィルス,杉田七重,佐竹美保出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2012/01/27メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見るほんとうのフローラ 下 (一万一千の部屋を…

この、日本で一番有名な文学賞を取ると、文芸界での扱いが違ってくるのがよくわかる。文芸雑誌のコーナーを見ていて、そう思う。 7日の東京新聞夕刊には円城塔のエッセーが掲載された（その前には田中慎也のものも掲載されている）。たぶん各紙で同じ事をし…

『幻想文学』でゲームの特集を組んだとしたら……という「お題」をちょうだいしたので、書いてみる。 文学以外のジャンルを特集したのは、映画と音楽で、演劇や舞踊などは特集していない。演劇も舞踊もナマモノで、劇場に足を運ばねばならず、特集を組めるほど…

『日本幻想作家事典』増補版をアップした。刊行時に落としたもの中心なので、データは古い。未校正。いろいろ不正確かもしれないけれども、おまけということでご寛恕。 とにかく、中心部分は、刊行時、その他の増補も半年以上前に最終的に手を入れたものなの…

私が幻想文学というジャンルを意識したのは、1978年、大学入学以後のことである。それ以前に、『指輪物語』や児童文学のメルヘン、ＳＦに触れていたが、ジャンル意識というものはなかった。『指輪物語』は非常に孤立した、きわめて特異な小説だと考えていた…