インタビュー

前項ではインタビューのことに触れているが、インタビューそのものを問題にしているのではない。わかったような気になることを問題にしているのだ。文意は、合理的な脈絡で読み取ってもらいたい……まあ多くは期待しないけど。
インタビューをすることはとてもスリリングで、一面とても難しい。『幻想文学』ではおおむね、東がその難しい仕事をこなし、穏当なインタビューに仕立てている。村上春樹はインタビュー嫌いだそうで、最近長大なインタビューがなされたのが話題になっているが、若い頃にはもちろん簡単にインタビューに応じてくれた。インタビュー後に野間文芸新人賞を受賞して、人気の上に文壇にも認められた形になった。山田風太郎もインタビュー嫌いだったそうだが、あっさりOKが取れたのは、私たちが若くて(20代前半)、ジャーナリストというより、ほとんどファンみたいなものだったからだろう。
若くて、変なことをやっていると、先輩たちから可愛がられる……年を取った今になると、多くの人々が『幻想文学』に好意的に接してくれたことが大いにうなずけるのだ。
それで、この『幻想文学』のインタビューをまとめる企画が何年も前からあるのだが、なかなか進まない。出来上がればとても壮観で、面白いものになるのはまちがいないと思うのだが……。
ところで、インタビューにも手を入れてもらっているので、肉声が消えてしまうこともある。本当はそれを復元したい。でも無理よね。それから以前にも書いたが、イントネーションが消えてしまうので、みんな標準語っぽくなる。これが再現できたらなあ。