メモ

火曜日の文芸時評で、沼野充義朝吹真理子の出現を文学的事件といささか大仰に褒め立てている。官能的文体……という語から、あるいはと思いググってみると、やはり朝吹亮二の娘のようだ。作品そのものは幻想的になっているようなので、要チェック。新潮に書いているようだ。

 親が子の職業を継ぐのは古典的なことだが、サラリーマンを職業と考えれば、親子で同じ職はありふれたことだ。もう少し細かく見ると、議員と芸能人が最も職を継ぐ率が高いという(ちょっと古いデータ)。議員は職業じゃないんだが(^◇^;)。とにかく楽に儲かるから、子供にならせるということなんだろう。コネで成立する世界とも言える。
 文学には、コネもあるが、最終的には実力の世界なので、ろくな作品が書けなければ、どうにもならなくなる。大岡信の息子とか。しかし成功した例も、森茉莉とか幸田文とか津島祐子とか吉本ばななとか野阿梓とかとかとか多数あり、親子で文学者というのも、別に珍しいことではないのだ。もちろん、挫折した例の方がずっと多くて、それは表には出ないのだろうけれど。
 多くの場合、子は親を規範として育つので、世界のことがよくわからなくて、文学者になったりする場合もあるのだろう。英文学者など、そういった方面の文学者でも時々いるし。美術や音楽の方面にも当然いるんだろうな。
 いずれにせよ、あんまり親と近い商売はたいへんだと思う。中小から零細の会社を継ぐのは非常に大変だしね――って、そういうのと比較すべきではないのか……。