2010-06-01から1ヶ月間の記事一覧

批評の意義

先日の大波小波は珍しくまともだった。 電子出版で個人出版がますます増え、プロもダイレクト発信の可能性があるから、プロアマの見分けが難しくなるという話が基本。で、批評家の役割が増す、と言われているんだそうだ。そこで大波小波の筆者は、そんなこと…

あすなひろし原画展

神田のギャラリーにて来週から二週間。 詳しくは下まで。http://asunahiroshi.jp/ 今週末より長坂に帰る予定なので、会期の最後の方に行きたいと思っています。 あすなひろしは……少女マンガから青年マンガまで読んでおります。 子供時代の印象というのは強烈…

前川先生逝去

http://mainichi.jp/area/kyoto/news/20100615ddlk26060583000c.html存じ上げませんでした。 ご冥福をお祈りします。

物語に支えられた人生

ジャネット・ウィンターソン『灯台守の話』岸本佐知子訳(白水社) シルバーは海辺の田舎町ソルツの、崖の上に斜めに建った家の中で育った。「人生に斜めに入ってきた」彼女は、人と同じように真っ直ぐには人生を歩めない。 10歳の時に母を亡くし、盲目の灯…

ハリー・ポッターと死の秘宝

今さらだが、ようやく読了したのでちょっと書いておく。 以前、四巻まで書いたところと、意見に大差はない。 http://isidora.sakura.ne.jp/isi/ran37.html やはり五巻以後はミステリ度は薄まり、作者から一方的に与えられる過去の説明が増え、謎解きはほとん…

まことの恋をする者は一目で恋をする

東京新聞、岡井隆の今朝の言葉。 マーロウ→シェイクスピアの用いたせりふとして紹介している。 この結びがむりやりだ。「一目惚れは男女の間だけではない。」うん。それは当然だ。続けて、結語。「好きな作家に一冊で惚れ込むこともある。」文章も変だが、内…

ブルータス、お前もか

コンテクストが違いますが。昨日今日の「東京新聞」の著者インタビューから。 中森昭夫「アナーキー・イン・ザ・JP」(『新潮』2010.5) 大杉栄の霊に憑依された17歳の少年が繰り広げるドタバタだそうです。 どうしてみんなファンタジーを書くのか。要するに…

ライアン・ラーキン

この4月にDVDが出ていたのを知らず、最近購入。普通版があるのを知らず、間違えてつまらない冊子付きの特別版を購入してしまった。 ドキュメンタリーがついてそれなりの長さなので、ラーキンの作品は、全部で25分ぐらい。なにしろ「アニメーション映画史」…

ノルシュテイン

神奈川県立近代美術館葉山で、ノルシュテイン展が開かれているそうで、山村浩二が東京新聞のインタビューに答えて、その特徴などを説明している。「田舎医者」などを観れば、確かにノルシュテインなども意識しているのだろうな、という感じはするけど、どれ…

ラピュタアニフェス

阿佐ヶ谷ラピュタのアニフェスは日程がほぼ終わり、ノルシュテインを除く全プログラムを観た。 今回はエストニア作品集の中で、プリート・テンダーをとてもおもしろく観た。「キッチン・ディメンションズ」はフォルムの変化を描いただけのものだが、こういう…

リアリティを求めるということ

小説にリアリティを求めてはいけないのだろうか? 最近、読めども読めどもリアリティに行き当たらず、誰もそんなことを気にしていないどころではなく、最近では、それを求めるのは間違いであり、してはならないことだという風にでもなっているのだろうかと思…