ライアン・ラーキン

この4月にDVDが出ていたのを知らず、最近購入。普通版があるのを知らず、間違えてつまらない冊子付きの特別版を購入してしまった。
ドキュメンタリーがついてそれなりの長さなので、ラーキンの作品は、全部で25分ぐらい。なにしろ「アニメーション映画史」で書かれていたことでほぼすべてなのである。この後、NFBを辞めてしまって、晩年は物乞いをしているとは知らなかった。
「シリンクス」(65)は、マクラーレンの後継と言われたのも当然という作品である。ピンスクリーンを意識したというマクラーレンのクレヨン・ペイントの技法を踏襲し、非常に優れた作品を作っている。22歳とかそれぐらいのわかさ。
去年のカナダアニメでも「散歩」として上映された「The Walking」(68)は、多くのアニメーターに影響を与えたという。ロトスコープ技法を用いず、手描きされたもの。素晴らしい動きと色彩。
そして「ストリートミュージック」(72)。私はこれがいちばん好きだ。
亡くなる前の未完の作品「スペアチェンジ」(2008)。これの頭の方のアニメがすごい。
ドキュメンタリーの中でラーキンは、世界に対して謝らなくちゃ、作品を作らなくて……というようなことを言っていて、これには胸が詰まった。
このような作品があるから、アニメを観ることはやめられない。