2007-10-15から1日間の記事一覧

市川拓司「弘海」

今回読んだ中で、最もくだらない作品。こんな低レベルのSFが一般向けの小説として通用してじゃんすか売れるのか、と唖然。この人も作家名鑑に載るわけだよね(笑)。まあね、二次元ドリームだってやおいだって載るんだからね、当たり前だな。

原宏一「天下り酒場」

というわけで、この短篇集。表題作は、県庁の役人が、しがない酒場に天下りしてきて、酒場改革をやるのだが……という突飛なシチュエーションで役人批判を展開するユーモア小説。トールテール風の味わいがあり、痛快で、おもしろかった。 小説ではもう一冊、垣…

鈴木宗男「闇権力の執行人」

こんなことを実名で暴露してしまうのか、というような上品でない内容。しかし著者に仕掛けられた罠も下品そのものだったので、仕方ないか。それに、実名暴露なんか屁でもない、がはははと笑ったらしいからね、当該官僚は。まあ官僚には選挙もないし。 官僚の…

島村英紀「私はなぜ逮捕され、そこで何を見たか。」

拘置所生活もの。著者は地震学者で、北大から告訴されたりして、詐欺容疑で逮捕されたのだが、こはまったくのナンセンスであったらしい。なんというか逮捕そのものが既に理不尽なので、司法当局がやっていることは人権侵害以外の何ものでもなく、アムネステ…

大江健三郎「新しい人の方へ」

意地悪な人になるのはやめよう、とか、怨望は非生産的なのでやめよう、とか若い人たちに向けて書かれている。内容自体は悪くない。 でもね〜、たぶん石原慎太郎のことだろうと思うけど、自分についての記憶が間違っているのに直しもしない、とねちねちイヤミ…

角田光代『対岸の彼女』

内容がどうのこうのという話ではない。私は興味ないが、それなりの小説だ。 冒頭近くに、主人公Aが働きに出る理由として、一万三千円のブラウスを買いたいと思ったが、それが35歳の女性として高い買い物なのかどうかの見当がつかなくなっていたから、という…

いろいろ

しばらく書評関係の仕事をしていた。