庭をめぐって

ツイッターにも書いたが、ここにも書いておく。

http://isidora.sakura.ne.jp/mizu/garden.pdf

拙稿に関連して、大阪の国際児童文学館の土居さんより、いくつか庭関連の児童文学を思い出したとメールを頂いた。土居さんは、おそらく日本で最も児童文学を多数読んでおられる方で(新刊の9割には目を通すとか)、教わることが多い。

『ドールの庭』(パウル・ビーヘル著 野坂悦子訳 早川書房
イスカンダルと伝説の庭園』(ジョアン・マヌエル・ジズベルト作 ウルディアレス絵 宇野和美訳 徳間書店
絵本『ハンナのひみつの庭』(アネミー&マルフリート・ヘイマンス文絵 野坂悦子訳 岩波書店

 ビーヘルはたいへんに優れたオランダの作家で、私も好きなのだが、この作品は完全に失念していた。隠された庭、癒やしの庭というモチーフを用いており、変身のモチーフもあることから、ライルの『花になった子どもたち』はあるいは影響を受けたのかもしれない。
 『イスカンダルと伝説の庭園』は擬似歴史もの。作庭をテーマとしている。
 『ハンナのひみつの庭』は知らなかったので、後に確認。『ひみつの花園』の系譜を継ぐ作品であり、鎖された庭をモチーフに、家族の再生を描いている。