中村弦『天使の歩廊』
去年のファンタジーノベル大賞受賞作。
明治の初期に生まれた異能の建築家が、この世ならぬ建築を建てる、という設定の連作短編集。
この世ならぬ建築を享受できるのが、大金持ちと、死者(図面のみ)だけというところがなんとも言えないが、ファンタジーのアイディアとしてはおもしろいと思う。
宗男議員や篠田真由美がどんな感想を持つか、知りたいものである。
この著者は、まったく知らない人なのだが、その夫人が、かつて『幻想文学』で手伝いをしてくれていた女性であった(びっくり)。彼女は、私とは個人的にも妙な縁がある人で、出会ったときにはそのことで互いに驚いたのだった……。
中村夫人のことを思うと、世間は狭い、と思うのである。
- 作者: 中村弦
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2008/11
- メディア: 単行本
- クリック: 9回
- この商品を含むブログ (22件) を見る