チェコアニメ

 渋谷へ。いのちの食べ方、チェコアニメAプロBプロを見る。
 アニメの方は、ポヤールトルンカがアニメ的には群を抜いている。つまりは一般人に是非とも観よ、というようなものではない。アニメ・ファン向け。
 「いのちの食べ方」は、12PGだが、全国放送のテレビで放送せよ。日本人全員がこれを観るべきだ。
 日本の残飯量は、年額11兆円だそうだ。バカらしく話にもならない。子どもの時からこういうものを見せて教育すべきではないか。ミシュランの星数が世界の諸都市で一番多いだなんて……まったくくだらない。
 日本ではこの映画のような大規模農業(特に植物)は一般的ではなく、価格で太刀打ちできるわけもないのだが、そういうことも含めて、食・農、そして労働ということについて考える契機となるような一本。
 ナレーション、音楽無しの90分で、音響効果、映像ともに、ドキュメンタリー映画としてもすばらしい。
 毎日、ブタの足先だけを切るという労働を続ける人がいる。数分に一匹、牛を悶絶死(電気ショック?)させる人がいる。収穫のための季節労働者がいる。移民もいる。という労働問題の話でもある。20世紀初頭のアプトン・シンクレア『ジャングル』とか、スタインベックの『怒りの葡萄』はじめ一連の著作に連なる話でもある。百年経っているのだから、あんなに暗くも悲惨でもないが、それでも、こういう仕事をしている人はいるのだ。