調査中

 作家名・作品を目録でチェックしつつ、現物に当たっている。
 頻繁に思うことは、小説におけるストーリー、プロット、文体の関係である。
 あからさまに文章がまずくてもかまわないエンタメ・ジャンルというものが、昔から存在するのだが、それは広範囲に売れるため、そういうものの影響が文体全体に及ぶ、という仮説を立ててみたくなった。文学(ネットの書き込みも含めて)は、日々まずい文章になっている、ということである。まずい、というのは、要するに理解しにくく、伝わりにくい、ということである。当然、微妙なことは切り捨てられる。
 文体論という文学研究のジャンルがあるのだが、たぶんそこではものすごく大局的なことは扱えない。実証主義的ではなくなるからだろう。なので、近代文学から現在までをすべて取り扱っている人はいないだろう、たぶん。もしもそういう人がいるのなら、研究の成果を見てみたいものである。