共同の仕事

 このところ、六月分の原稿を書いていた。その中から。

アーネスト・ダウスン作品集 (岩波文庫)

アーネスト・ダウスン作品集 (岩波文庫)

 南條さんが専門にしているところのもの。どっぷり世紀末象徴主義。解説ではボードレール影響を指摘している。それにしても南條さんの文体は理知的。七転八倒してもシナラがうまくいかないと言うのは、そのせいではないかと思う。
 ついでだが、南條さんもダウスンの名訳としてその訳詩を引用している、英国世紀末文学の泰斗・矢野峯人の作品集が国書刊行会から出る。全三巻。各1万5千円。高くて買えません。

ピラミッドからのぞく目 (上) イルミナティ 1 (イルミナティ) (集英社文庫)

ピラミッドからのぞく目 (上) イルミナティ 1 (イルミナティ) (集英社文庫)

ピラミッドからのぞく目 下 (2) (集英社文庫 シ 14-2 イルミナティ 1)

ピラミッドからのぞく目 下 (2) (集英社文庫 シ 14-2 イルミナティ 1)

 稲生平太郎「不思議な物語」でかつて紹介した作品。総タイトルはやっぱり「イルミネイタス!」エクスつきでやってほしかった。そうでないと、飛んでる作品の感じが出ないじゃないの。それにしても紹介が18号で、てるちゃん(次男)がまだ存在もしないころだから、20年前だ。その時でも既に10年経っている作品だったから、翻訳は遅きに失した感あり。でもこんなもの、今でなければ出せなかったんだろう。聞きしにまさる変な作品である。翻訳者は大変だ……。