日本児童文芸家協会賞

日本児童文芸家協会賞……朽木祥彼岸花はきつねのかんざし」
新人賞……久保田香里「氷石」
どちらもファンタジーだが、未読。

朽木祥は、愛らしいことこの上ないかっぱの子供が主人公の「かはたれ」でデビュー。続篇「たそかれ」は一種の音楽ファンタジーでもある。(福音館書店
全体としてはよくある話であり、とても素晴らしいというわけではないが、それなりに上質で、「かはたれ」などは二度読み(続けて二回読む)までしてましった。どちらもそれなりにお薦めできるファンタジーである。
でもわずか三作目で協会賞とは……。
児童文学には児童文学者協会賞というもっと歴史のある賞があって非常にまぎらわしいのだが、こちらの方の賞の基準は、受賞作を見ていてもちっともわからない。文学者協会賞の方は、時々で揺れるようだが、かなりの実績がないと贈られない賞で、やはり重みが違う。
受賞についてはともかく、朽木さんの本が広く読まれるようになれば、嬉しいかな。イラストもものすごく可愛いので、河童好きはそれだけでも買いな本である。


久保田香里は「青き竜の伝説」でジュニア冒険小説大賞を受賞してデビュー。これが二作目。ジュニア冒険小説大賞はかなりしょうもない賞だが、これはライトノベルとして、そこそこの出来である。とりあえず次作を読んでみようか、と思うくらいの出来ではあった。甘い話だけど、設定自体もわりとよく考えられている。