飛龍雷天
- 作者: ロバート・ジョーダン,ブランドン・サンダースン,加藤 俊章,月岡 小穂
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2011/11/25
- メディア: 文庫
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ロバート・ジョーダンが難病で亡くなって後、ジョーダン夫人が構想メモや書きかけの断章を渡して続篇の執筆を任せたのはブランドン・サンダースンだった。『エラントリス』《ミスト》で、幾重にも謎をからませた、骨太の物語を構築してみせたサンダースンだが、続篇の執筆に際しては、ジョーダンに忠実に、その読者を裏切らない方向で執筆しているらしい。訳者によれば、ジョーダンそのものの文体のようだ。
FT文庫の翻訳は、訳者であった斉藤伯好も亡くなったため、弟子の月岡小穂が引き継ぐことになった。二重に変わったわけで、訳文も微妙に異なる感じがする。
サンダースンは、ジョーダンの服装フェチにもちゃんと気を遣い、細かい描写を忘れないが、しかしやっぱりごたわり度は薄い感じがする。だからジョーダンらしくないと感じるところもあるわけだが、一般的に言えば、読みやすくなった感じがするので、よいのだろう。
上下で1400ページほどの長篇だが、出で来る人物が多いので、やっぱり少しずつしか進まない。大きく動いたのはエグウェーンとアル=ソアで、エグウェーン・パートは、かなり感動的に展開し、読み応えがある。
同じくらいの分量であと二部あって、大団円を迎えるようだ。長い間付き合ってきた作品なので、とにもかくにも完結することを待ちわびている。