小林準治がバルトークの曲を

東京新聞の投稿欄のテーマ特集「この一曲」で推薦している。一投稿者として記事が載ったものだ。
管弦楽のための協奏曲」のために、バルトークが行った民俗学的音楽採集の苦労について、語り、仕事で行き詰まった時や悩んでいる時にほっとすると語っている。
我が身に引き寄せ、思わずほろりとした。私の苦労を誰が知ろうか。しかもバルトークのように真っ当な仕事でもない。ああ、そういう人はこの世にたくさんいるだろう。
アニメを観る人なら、この人の名前を誰でも知っているのも、手塚治虫故だったりする。普通のアニメの一監督であるより、よほど名前が知られている。ほかの隼治作品がぱっとは思いつかないのも事実である。そもそも手塚関連作品に関わることの多い人だ。そういうことを思い合わせても、なにがなし胸に迫るものがある。アニメーションというのは、しかしそういう人たちが支えている芸術なのだ。

今回、怪奇幻想漫画家事典を作ったが、主に想田四氏が書いてくれた原稿の中には、手塚のアシスタントとなって自作の筆を折った漫画家ほか、手塚に関わった人物の名が多く出てくる。これもまた、一つの感慨を催させる。一人の天才を持つために、どれほどの人間を必要としたのだろうか。

今はきわめて高いストレス状態にあり、子供たちにもうんざりされている。私もバルトークでも聴いてみようか。うちにあるのはオペラだけだけど。