落下の王国 宮廷画家ゴヤは見た

 落下の王国は、映像がきれいな作品。1915年が舞台だそうで、そのわりにはなんだか呑気な設定だが、アメリカはまだ参戦していないからなのだな。それはともかく、ラストの初期のフィルムでつい感動してしまった。感動の要因がまったく別のところにある。
 ゴヤミロシュ・フォアマンの新作。わりと軽めのエンターテインメント。allcinema on Line のコメント欄に知らない監督とか書いてあってどひゃー……と思ったけど、若い人はカッコーの巣の上でなんて知らないのよね、きっと。私あたりがリアルタイムで観た下限。ヘアーなんてまったく今じゃ流行らないだろうし、アマデウスだってもう20年前の映画なんだわ。最近だとマン・オン・ザ・ムーンか。地味〜。
 最近、仕事の都合で、魔女狩り本の類を読み返していて……ゴヤの時代にはとっくに終結しているのだが、スペインの異端審問所はまだ怖ろしかったのだな。作中で、半世紀に数人しか処刑していないと主役の一人が異端審問所の機能の活性化を訴えたために、ヒロインは拘引される。Nobody expects the Spanish Inquisition というわけでもあるまいが。いや、笑い事ではなかったのだが。

 映画ばかり見て……と叱られそうなこの頃。仕事はちゃんとしている。山の本も当座の新聞も終えたぞよ。一年ばかり400時間/月ぐらいしていたのを、ようやく少し減らせるようになったのだ。少しは運動もできるぐらいにまでなった。あまり真面目にやっていないので、ちょっと反省。身体がぶよぶよしてしまっている。
 今日も朝から12時間ばかり仕事をして、久しぶりに特急に乗ったら(いつもは鈍行)爆睡してしまい、目覚めたら終点だった。かいじだったので終点でもよかったが。
 今日の仕事は主に図書館での調査だったが(これはまだしばらく続く)、それと並行して文庫の解説に取り組み始めた。予想通り死ぬほど難しいので、頭の中で組み立てていたようにはまったくいかない。自分がばかに思える。いや、ばかなんだろう……。