『幻想作家名鑑』を作成中

 ホラー関係の本の動向を見るため、東雅夫からデータの原稿をもらい、情報を抽出しているところ。
 このデータ原稿が、仕事別(幻想文学双葉社、幽など)と分かれていて、仕事別なので、依頼の書簡から、インタビューの起こしも入っているが、原稿の下書きはない。
 下書きやメモは棄ててしまうのか、あるいは原稿を完成させる過程で消滅してしまうのか、知らない。実に整然としたものである。
 以前も書いたことだが、東は完成原稿の人である。だいたい締め切りを守らず、とにかく最後まで原稿を引っ張るが、出してくるものは完璧で、文字校すらほとんど必要ない。いったいどうしてこのようなことが可能なのか、わからない。そういう原稿を書くためには、普通は、何日か間を置いて、一旦その原稿から頭を離してから、読み返すことが必要なのに。非常に冷静な頭を持っているのかもしれないが、日常の言動からはそうは見えない。
 ブログでもそういうことをしているらしく、私のように書き散らしているのとは違うのだと偉そうに言っている。まあそうなのだろう。
 ファイルの中に、東の依頼で自分が書いた原稿を見つけたので、開いてみた。わずか数年前なのに、書いた記憶のない言葉が並んでいる。見覚えがあるのは数語だけ。この言葉を入れて書こう、と思った、その言葉だけだ。そしてその言葉は、どう考えても場違いである。こんなことだから、書き手としてはいつまでも二流、三流なのだ。
 さて、これで息抜きはおしまい。抜けている作家作品をチェックしなくてはね。