ハルムスの小さな船

 『幻想文学』21号で風間賢二氏が紹介してくれたダニール・ハルムスの作品集が刊行された。こんなものを出すとは驚きだが、西岡兄妹の千晶が絵を描いているので、変な絵本として買われていくかもしれない。できれば井桁氏のきちんとした解説が欲しかった。翻訳の苦労についても書いて欲しかった。
 ハルムスについての紹介は、風間さんのおかげで、『幻想文学』はかなり早い時期(1988年1月)に出来たのではないかと思う。翌年に、映画「ハルムスの幻想」が公開されている。沼野充義のハルムス紹介がある『永遠の一駅手前』もやはり1989年だが、本が手元になく、雑誌発表時期はわから
ない。
 西岡千晶は1990年にハルムスと出会ったそうだが、何で出会ったのか、ちょっと知りたいな。
 ともあれ、文学の明日のために、懐に余裕のある人はこの本を買おう。

ハルムスの小さな船

ハルムスの小さな船

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