メディア総合芸術センター

昨日の夕刊に、里中満智子らが必要性を訴えるという記事。

どう考えてもハコモノ予算という感じしかしないのだが、どうだろうか。

国立では近代美術館がアニメーションのフィルム、機材の収集を行っている。そこに働く学芸員(アニメの専門家がいるはず)はどういう意見なのか。
また、杉並アニメーションミュージアムはどのようにこの状況を見ているのか。また杉本五郎のフィルムを持っているはずのアニドウの並木さんはどう考えているのか。
そうした話がこういうものから見えてこない。

漫画に関しては、国際児童文学館一つ守れないで、何を言っているのだろうか?
既存のものの維持も、無駄だから、という何の根拠もない理由で取りやめになり、貴重な資料は、当面「しまっておく」とは言われているものの、明日をも知れぬ命である。
そんなふうにならない、という覚悟やまた展望はあるのだろうか? 建設費ということで、適当に決められたようだから、そんなものはかけらも持ってはいないのだろう。
早稲田のまんが図書館も経営はたいへんだと聞く。
また国会図書館での漫画収集はどうなるのか? 2箇所でやるということか。また、国会はカバーやハコを捨ててしまうのだが、今後はそれを改めるということか。

とにかく、何が必要なのかといえば、展示用の豪華なハコではなく、研究者、学芸員、企画を立てる才能のある人、そしてきちんとした倉庫であろう。
この国のデータベースの状況はまったくなってないし、漫画関連の研究はお粗末きわまりない。評論を研究と間違えているような人が研究者を名乗っている。
それにしても、本気で漫画を芸術(狭い意味で)だと考えている人が国会議員の中にいるとしたら、お目にかかりたいものである。もしも本当にそう思うなら、国際児童文学館の危機を見過ごすのはどうしたわけだろうか。